「ウガリはまずい」と検索されることが少なくないこの料理。しかし、それは“ウガリ”の魅力を知らないまま、単体で味わってしまった結果かもしれません。実は、ウガリは東アフリカで何世代にもわたって愛されてきた、非常に重要な主食の一つ。今回はその背景から美味しい食べ方、日本や本場で味わえるお店までを紹介します。
ウガリとは? どこの国の料理?
ウガリ(Ugali)は、主にケニア・タンザニア・ウガンダなど、東アフリカ諸国で食べられている主食です。トウモロコシの粉を水で練って作られる素朴な食べ物で、形状はマッシュポテトと団子の中間のようなイメージ。箸やフォークは使わず、右手でちぎっておかずと一緒に食べるのが一般的です。
その素朴な味から「ウガリはまずい」という声も見受けられますが、それは“料理としての完成形”を知らずに味わってしまったことが原因のケースがほとんどです。
なぜ「ウガリはまずい」と言われるのか?
理由はシンプルで、「単体で食べると味がない」からです。ウガリ自体には塩もスパイスも入っていないため、味覚的な刺激を求める人には物足りなく感じられるかもしれません。これは、白米を何もかけずに食べるようなもの。つまり、おかずと組み合わせて初めて“料理”として完成するのがウガリなのです。
ウガリの本当の魅力は“組み合わせ”にあり
東アフリカでは、ウガリは「味を引き立てるベース」のような存在。カレーや煮込み料理、野菜炒めやスープと合わせて食べることで、そのポテンシャルを最大限に引き出します。
とくにおすすめの組み合わせは以下の通り:
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スコマ(Sukuma Wiki):ケールをニンニクと炒めたアフリカ版青菜炒め
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ニャマチョマ(Nyama Choma):グリルしたビーフやヤギ肉
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チャナ豆のトマト煮込み:スパイスのきいた優しい味とウガリの相性は抜群
ウガリを美味しく楽しめる日本のお店
日本でもウガリを楽しめるお店は増えつつあります。東アフリカ出身のシェフが営むアフリカ料理店では、本場さながらの味が楽しめます。
■ アフリカンホームタッチ(東京・高田馬場)
ケニア出身のオーナーが作るニャマチョマとウガリは、まさに現地の味。ウガリを手でちぎって食べる体験もでき、日本にいながら東アフリカの文化に触れられます。
■ Tazama(大阪・天満)
本場タンザニア出身の店主によるレストラン。スパイスが効いたチキンシチューとウガリのセットが人気で、「ウガリはまずいと思っていたけど、ここで印象が変わった」との声も。
本場でウガリを味わうならこの店!
旅行でアフリカを訪れた際には、現地の食堂でウガリをぜひ体験してみてください。
■ Carnivore(ケニア・ナイロビ)
グリル料理が名物の大型レストランで、肉料理と一緒に出されるウガリは絶品。観光客向けながら、本場の味をきちんと再現。
■ Samaki Samaki(タンザニア・ダルエスサラーム)
地元の人にも人気のモダンアフリカンレストラン。魚の煮込みとウガリの相性がよく、スパイスの効いた味わいが魅力です。
「ウガリはまずい」は“知らないこと”による誤解
多くの人が「ウガリはまずい」と感じる理由は、あくまで**“ウガリ単体では味がない”**という点に集約されます。これは、日本人が白ご飯だけを食べて「まずい」と言っているようなもの。
むしろ、ウガリはスパイスの効いたおかずとの相性が非常によく、口直しにもなります。食文化において“引き算の美学”を味わえる、貴重な存在なのです。
家でも作れる!ウガリのレシピ
実はウガリは、材料もシンプルで日本でも簡単に作れます。
■ ウガリの基本レシピ(2人分)
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トウモロコシ粉(ポレンタでも可):1カップ
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水:2カップ
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鍋で水を沸騰させる。
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トウモロコシ粉を少しずつ加え、ダマにならないように混ぜ続ける。
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粘りが出てまとまり始めたら、木べらで練るように混ぜ、火を止めて蓋をし、5分ほど蒸らす。
これで、もちもちとした本格的なウガリが完成。カレーやシチューと一緒に召し上がれ。
まとめ|“ウガリはまずい”ではなく“奥が深い”
検索ワードでは「ウガリ まずい」と出てくることが多いですが、それは“ウガリの真価”を知らないまま判断してしまった結果です。実際には、現地の人にとって大切な食文化であり、シンプルながら奥深い魅力をもった主食。
食べ方を知れば、むしろクセになる味。スパイシーなおかずとのコンビネーションで、きっと新しい美味しさに出会えるはずです。
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