寒さが厳しい季節、心も体も温まる一杯のスープが恋しくなります。そんな時にぴったりなのが、ロシアの伝統的なスープ「ソリャンカ」です。酸味と旨味が絶妙に絡み合い、豊富な具材が特徴のこのスープは、ロシアやウクライナで長年愛されてきました。今回は、ソリャンカの魅力やその歴史、そして日本で味わえるおすすめのお店をご紹介します。
ソリャンカとは?
ソリャンカ(Solyanka)は、ピクルスやオリーブ、ケッパー、燻製肉や魚などをふんだんに使った、味わい深いスープです。その豊かな風味から、「飲むオードブル」とも称されることがあります。特に、ピクルスの漬け汁を使用することで、独特の酸味が加わり、食欲をそそります。
このスープは、ボルシチやシチーと並ぶ、東欧を代表する料理の一つです。19世紀には「セリャーンカ」と呼ばれ、ウクライナの農村部で親しまれていました。その後、ロシアの貴族社会にも広まり、現在ではロシア料理の定番として知られています。
ソリャンカの種類と特徴
ソリャンカには主に以下の3種類があります:
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肉のソリャンカ:牛肉、ハム、ソーセージ、鶏肉などの肉類を使用し、トマトやタマネギ、オリーブ、ケッパーなどを加えて煮込んだもの。
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魚のソリャンカ:燻製や塩漬けの魚(サーモン、チョウザメなど)を使用し、野菜とともに煮込んだもの。
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茸のソリャンカ:キノコやキャベツ、トマトなどの野菜を中心に作られ、バターで炒めた後、パン粉やチーズをのせて焼き上げることもあります。
どの種類も、仕上げにサワークリームやレモンを添えることで、味に深みと爽やかさが加わります。
ソリャンカの魅力
ソリャンカの最大の魅力は、その豊富な具材と複雑な味わいです。ピクルスの酸味、燻製肉の旨味、オリーブやケッパーの塩気が絶妙に組み合わさり、一口ごとに異なる風味を楽しめます。また、栄養価も高く、特に二日酔いの朝に食べると体がシャキッと目覚めると言われています。
日本でソリャンカを味わえるお店
日本でも、ソリャンカを提供しているお店があります。以下にいくつかご紹介します:
1. ろしあ亭(東京都千代田区)
神保町にある老舗ロシア料理店。「サリャンカ」として提供されるスープは、野菜の旨味が凝縮された甘酸っぱい味わいが特徴です。 ート(埼玉県桶川市)
桶川市にある喫茶店で、ソリャンカを楽しむことができます。詳細なレビューは少ないものの、地元で親しまれているお店です。
3. Soup Stock Tokyo ルミネ新宿店(東京都新宿区)
スープ専門店「Soup Stock Tokyo」では、期間限定でソリャンカを提供することがあります。ハーブが効いたトマトベースのスープに、サルシッチャや白いんげん豆、押麦などが入った具沢山の一品です。
4. Borsch(宮城県石巻市)
ウクライナ出身のご主人が営むウクライナ料理専門店。トマトベースのさらりとしたスープに、ベーコン、ソーセージ、ピクルス、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、いんげんなどがたっぷり入っています。サワークリームとレモンのスライスが添えられ、爽やかな味わいが特徴です。
おわりに
ソリャンカは、その豊かな風味と栄養価の高さから、寒い季節にぴったりのスープです。日本でも本格的なソリャンカを提供するお店が増えてきており、気軽に楽しむことができます。ぜひ一度、ソリャンカの奥深い味わいを体験してみてはいかがでしょうか。
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