エンパナーダとは、スペイン語圏を中心に親しまれている具入りペイストリーの一種です。パリッとした生地の中に、肉、野菜、魚、チーズなど多彩な具材を包み、焼くか揚げて仕上げます。ラテンアメリカ各国やスペインでは、家庭料理としても、街角の軽食としても人気があり、それぞれの国・地域で個性豊かな中身が発展しています。この記事では、エンパナーダの起源から代表的なバリエーション、レシピや東京で食べられるお店までを詳しく紹介します。
エンパナーダとはどんな料理ですか?
起源はスペインと中東文化の融合
エンパナーダのルーツは、アラブ世界の「サンブーサ(Sambousek)」と呼ばれる具入り揚げパンにさかのぼります。中世スペインでキリスト教徒とムスリムが共存していた時代、アラブの影響を受けてスペイン北西部のガリシア地方で現在の「エンパナーダ」の形が誕生しました。
日常食から祝祭料理まで
現代では、スペインだけでなく中南米各国で独自に発展し、具材や調理法、サイズも多様化。ランチや軽食、おやつとして日常的に食べられる一方、祝祭の定番料理としても登場します。

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エンパナーダには何種類ありますか?
スペインのエンパナーダ(エンパナーダ・ガジェガ)
スペインのガリシア地方では「エンパナーダ・ガジェガ」という大型のパイが有名。具材はマグロや豚肉、パプリカ、玉ねぎなどを炒めてから詰めます。切り分けて提供され、ピクニックや祝祭の料理として親しまれています。
アルゼンチンのエンパナーダとは何ですか?
アルゼンチンのエンパナーダは手のひらサイズで、地域ごとに具材が異なります。例えば:
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トゥクマン:ジューシーな牛肉とスパイス
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サルタ:じゃがいも入り
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メンドーサ:レーズンとオリーブを効かせた味
焼きと揚げの両スタイルがあり、全国的に人気です。
チリのエンパナーダとは何ですか?
チリの「エンパナーダ・デ・ピノ」は、甘辛く味付けした牛ひき肉、玉ねぎ、ゆで卵、オリーブ、レーズンを詰めた焼きエンパナーダ。9月の独立記念日「フィエスタ・パトリアス」には欠かせない国民食です。
エルサルバドルのエンパナダスとは?
「エンパナダス」と呼ばれるエルサルバドルの料理は、熟したバナナをつぶして生地を作り、ミルクカスタードなどの甘いフィリングを詰めて揚げたデザート。塩気のあるエンパナーダとは全く異なる甘いスイーツです。
エンパナーダはスペイン語ですか?
はい。「エンパナーダ(empanada)」はスペイン語で、「パンで包む(empanar)」という動詞から派生した言葉です。英語ではそのまま「empanada」と表記され、グローバルにも浸透しています。
エンパナーダの中身:代表的な具材とは?
エンパナーダの中身は国・地域によって実に多彩です。代表的な例を以下に挙げます。
肉系フィリング
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牛ひき肉(アルゼンチン、チリ)
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鶏肉(ペルー、フィリピン)
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チョリソーやベーコン(スペイン)
魚介類
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ツナ(スペイン、アルゼンチン)
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イワシ(ガリシア)
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エビとホワイトソース(ウルグアイ)
ベジタリアン
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チーズとほうれん草
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カボチャとフェタチーズ
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ブラックビーンズとトウモロコシ
甘いものからしょっぱいものまで、組み合わせは無限大です。

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エンパナーダ 東京で食べられるお店
東京には、本格的なエンパナーダが味わえるお店がいくつかあります。
おすすめ店舗
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ミ・チョリパン(中目黒):アルゼンチンスタイルの焼きエンパナーダが楽しめる。
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エル・チキート(新宿):南米全体の料理を提供するラテンバル。チリ風やペルー風エンパナーダあり。
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ラ・カサ・デル・グアポ(渋谷):スペイン料理が中心の店で、エンパナディージャ(小さなエンパナーダ)を提供。
エンパナーダ テイクアウトにもおすすめ
エンパナーダは片手で食べられるため、テイクアウトやお弁当にもぴったり。近年ではデリやキッチンカーでも人気です。冷めても美味しく、レンジで温め直せば出来立てのような風味が復活します。
エンパナーダ レシピ:家庭でも本格的に!
自宅でも手軽に作れるエンパナーダ。以下はシンプルなツナ入りの焼きバージョンの基本レシピです。
材料(10個分)
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強力粉:250g
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バター:50g
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水:100ml
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卵:1個
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塩:小さじ1/2
フィリング
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ツナ缶:1缶
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玉ねぎ(みじん切り):1/2個
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ゆで卵:1個(刻む)
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ブラックオリーブ:5粒(スライス)
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トマトソース:大さじ2
作り方
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生地の材料を混ぜてこね、30分休ませる。
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フライパンで玉ねぎを炒め、ツナ・トマトソース・ゆで卵・オリーブを加えて軽く煮詰める。
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生地を10等分し、円形に伸ばして具を包み、縁をフォークで閉じる。
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表面に溶き卵を塗り、180℃のオーブンで20分焼く。
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エンパナーダとは 中身のまとめ
エンパナーダは、シンプルでありながら奥深い魅力を持つ世界の定番料理です。スペインから始まり、中南米各地で独自に進化してきたその中身は、地域の歴史や文化を反映しています。東京でも本格的な味に出会えるエンパナーダは、ぜひテイクアウトや手作りにも挑戦してみてください。具材次第で無限のバリエーションが楽しめるのも大きな魅力です。
※参考リンク:世界の料理エンパナーダ(英語)(外部リンク)
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